中村悠一さんの若い頃を語る上で欠かせないのが、同世代のトップ声優・杉田智和さんとの深い絆です。2人は養成所時代からオーディション会場で顔を合わせる仲であり、駆け出し時代には生活の苦楽を共にしました。
当時の声優業界は現在ほどメディアミックス展開や配信プラットフォームが整っておらず、若手声優のギャランティだけで生活するのは極めて困難な時代でした。中村さんも当時のインタビューやラジオで「1か月の食費を切り詰め、100円ショップの食材で何日もしのいだ」「オーディションに落ち続けて将来に強い不安を抱えていた」と振り返っています。
そんな下積み時代、近所に住んでいた杉田智和さんとは毎日のように連絡を取り合い、互いの自宅に集まっては1本のゲームを何百時間もプレイしたり、具材を持ち寄って鍋を囲んだりしていました。杉田さんが先にブレイクを果たした際も、中村さんは焦りを覚えながらも腐ることなく演技を磨き続け、杉田さんもまた中村さんの才能を誰よりも信じて業界関係者に推薦していたというエピソードは、ファンの間で非常に有名です。
互いにリスペクトし合い、貧しい時代を支え合った2人の関係性は、20年以上が経過した現在も変わることなく続いており、バラエティ番組やYouTubeでの息の合った掛け合いの根底には、この泥臭い下積み時代に培われた絶対的な信頼関係が存在しています。