伊東の川沿いに息づく昭和の幻影——木造3階建ての迷宮が今、感性鋭い旅人を惹きつけてやまない理由

伊東の川沿いに息づく昭和の幻影——木造3階建ての迷宮が今、感性鋭い旅人を惹きつけてやまない理由

伊東の川沿いに息づく昭和の幻影——木造3階建ての迷宮が今、感性鋭い旅人を惹きつけてやまない理由に関する注目トピックを速報でお届けします。関心のある方は必見です。

ギシギシと音を立てる細い階段を登りきった先に、東海館の象徴ともいえる四階の「望楼」が姿を現す。かつて温泉街の火の見櫓としても機能していたこの小さな空間は、四方に吹き放たれた窓から心地よい風が吹き抜ける特等席だ。

窓枠越しに広がるのは、伊東の街並みと天城連山の稜線、そして眼下を流れる松川。ガラスの入っていない窓から身を乗り出すと、川沿いに揺れる柳の葉擦れの音が耳をくすぐる。かつての宿泊客たちも、湯上がりにここで涼みながら同じ風を感じていたのだろうか。時間の境界線がふっと曖昧になる不思議な感覚に包まれる。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。