予期せぬ妊娠に直面した際、感情の整理がつかない状態であっても、まずカレンダーを確認して正確な妊娠週数の把握を最優先で行わなければなりません。妊娠週数は「性行為があった日」ではなく、「最終月経が始まった日」を0週0日として計算します。月経不順がある場合は自己判断が極めて危険なため、一刻も早く産婦人科を受診して超音波検査で胎嚢や心拍を確認し、正確な週数を確定させる必要があります。
もし「産まない(人工妊娠中絶)」という選択肢が頭をよぎる場合、日本の母体保護法で定められた厳格な法的タイムリミットが存在します。中絶手術が可能な期間は妊娠21週6日(22週未満)までと法律で厳格に定められており、22週を1日でも過ぎれば、いかなる理由があっても中絶は法律上不可能となります。
さらに重要なのは、妊娠週数によって母体にかかる負担と手術費用が劇的に変わる点です。手術の区分は大きく分かれます。
妊娠11週6日までの「初期中絶手術」では、子宮内容除去術(吸引法または掻爬法)が日帰りまたは1泊入院で行われます。費用相場は約10万〜20万円程度であり、健康保険は適用されず全額自己負担となります。近年は初期中絶薬(経口中絶薬)の導入も進んでいますが、処方可能な期間や運用体制には医療機関ごとの条件があります。
一方、妊娠12週0日〜21週6日までの「中期中絶手術」になると、状況は一変します。人工的に陣痛を起こして分娩させる形式を採るため、数日間の入院が必須となります。母体への身体的・精神的ダメージは飛躍的に増大し、費用相場も約30万〜50万円以上に跳ね上がります。また、妊娠12週以降の中絶は法的に「死産」として扱われるため、役所への死産届の提出や火葬・埋葬の法的手続きが義務付けられます。決断を先送りにすることは、母体にとって極めて重いリスクを背負うことに直結します。