三國連太郎さんの生涯を振り返ると、その私生活もまた波乱に満ちていました。生涯で4度の結婚歴があり、佐藤浩市さんは3人目の妻との間に生まれた長男です。
佐藤浩市さんの母親は一般女性で、三國さんとは浩市さんが小学校5年生(当時11歳頃)の時に事実上の別居状態となり、その後に正式離婚が成立しました。家を出て行った父・三國さんを見送った後、母親は東京の新宿や赤坂で飲食店などを営みながら、女手一つで浩市さんを育て上げました。
多感な少年時代を母親と二人三脚で過ごした佐藤浩市さんにとって、家庭を捨てて映画の世界へと没頭していった父親に対する感情は複雑を極めました。「家庭を壊した父への反発」と「役者としての圧倒的な存在感への憧れ」というアンビバレントな感情が、若き日の浩市さんの胸中に深く刻まれることとなったのです。