画数が多い漢字は、何も意識せずに書くと左右に膨らんでしまい、枠からはみ出したり重苦しい印象を与えたりしがちです。書道指導の専門家が推奨する美文字バランスのコツを3点紹介します。
1. 左右の比率は「4:6」で偏をスマートに絞る
左側の馬偏を横に広げてしまうと、右側の「㑒」が窮屈になり文字全体が破綻します。馬偏は横幅を意識的に細く引き締め、右上がりの平行線を保ちます。右側の「㑒」をやや幅広に堂々と構えることで、視覚的な黄金比率が生まれます。
2. 上下2つの「人」にメリハリをつける
つくりに含まれる2つの「人」のバランスが完成度を左右します。11・12画目の上部の「人」は傘のように左右へ大きく広げ、内側のパーツを包み込むように書きます。対して、17・18画目の下部の「人」は高さを抑え、どっしりとした土台として文字全体の重心を支えるように払います。
3. 横線の間隔(等間隔性)を徹底する
「験」には馬偏の横線や「口」の上下線など、無数の横画が存在します。これらの隙間が不揃いになると、文字が歪んで見えます。横線同士のすき間を均等に保ち、わずかに右上がりの角度を揃えるだけで、洗練された品格のある文字へと昇華します。