ガビチョウの鳴き声に接した人が一様に口を揃えるのが、「近くで鳴かれるとテレビの音が聞こえない」「早朝4時台から響き渡り眠れない」という音圧の凄まじさです。ガビチョウ鳴き声特徴として際立っているのは、澄んだ高音から濁った低音までを極めて広い音域で目まぐるしく変化させながら、休む間もなく鳴き続ける点にあります。
野鳥愛好家の間ではかつて「鳴き鳥」として珍重された歴史がありますが、日本の一般的な住宅街においてガビチョウ鳴き声うるさいと苦情が相次ぐ背景には、明確な生態的理由が存在します。
第一に、ガビチョウ早朝鳴く理由は、日の出前後の薄暗い時間帯から始まる激しい縄張り宣言(テリトリーソング)です。林床のササ藪など視界の悪い茂みを好んで潜むガビチョウは、視覚ではなく「音」によって同種のライバルを威嚇し、ペアの絆を確認します。周囲の障害物に遮られないよう、周囲数百メートル先まで届く強烈な音量で鳴き交わす習性が、近隣住民にとっては耐え難い騒音となってしまいます。