年に数回沖縄各地で開催される陶器市は、全国から愛好家が詰めかける一大イベントです。なかでも読谷村で開かれる「読谷山焼陶器市(12月)」や「読谷やちむん市(2月)」は、人気作家の新作を直接手に入れられる最大のチャンスとして凄まじい熱気に包まれます。
SNSやコミュニティサイトに投稿された「読谷陶器市ネットの反応」を分析すると、参加者の興奮と過酷な現場実態が克明に浮かび上がってきます。
「朝5時半に現地へ到着した時点で、十鶴さんの待機列にはすでに100人近い人が並んでいた。雨が降るなか防寒着を着込んで並び、ようやく手に入れた珈琲豆マグは宝物」
「北窯のテントはオープンと同時に人だかりで身動きが取れない状態。でも、親方たちが直接窯出ししたばかりの器を並べてくれて、作家さんと直接話せる感動は何物にも代えがたい」
「ネット通販では数秒で弾かれて買えなかった室生窯の平皿を、陶器市でようやくお迎えできた。個体差をじっくり見比べて、一番肌馴染みのいいものを選べるのが最大の魅力」
かつては地元住民がのんびりと買い替えに訪れていた陶器市ですが、近年は全国から航空券とレンタカーを手配して訪れる旅行者が大半を占めるようになりました。一部の人気テントでは早朝からの混雑緩和や転売対策として「デジタル整理券の導入」や「1組あたりの購入個数制限(3点まで等)」が敷かれるなど、運営側のシステム化も急速に進んでいます。ただの買い物ではなく、「現場で並び、出会いを勝ち取る体験そのもの」がファンにとっての特別な儀礼となっているのです。