法制度の整備以上に大きな地殻変動を起こしているのが、中国現地の消費者意識、特にZ世代を中心とする若年層のカルチャー規範の変化です。
中国の主要SNS「微博(Weibo)」や動画プラットフォーム「bilibili(ビリビリ)」では現在、国内企業が海外作品や他クリエイターのデザインを模倣した疑惑が持ち上がると、瞬時にネットユーザーによる検証画像が拡散され、凄まじい大炎上を引き起こします。「山寨(シャンザイ=偽物・パクリの俗称)は国の恥だ」「正規のライセンスを買うべきだ」という批判が殺到し、数時間で制作側が公式謝罪とアセット差し替えに追い込まれるケースが日常茶飯事となっています。
現地のACG(アニメ・コミック・ゲーム)ファンコミュニティでは、「公式にお金を払ってIPを応援する」ことがステータスとなっており、海賊版や偽キャラクターグッズを公然と持つことは「恥ずべき行為」という強い同調圧力が形成されています。この消費者の意識改革が、パクリキャラの生存余地を物理的にも心理的にも奪い去った最大の原動力と言えます。