卵の管理において、消毒と並んで重要なファクターが水温です。メダカの卵が孵化するまでに必要な熱量は「積算温度250℃(水温×日数)」という明確な生理的法則に基づいています。
水温が20℃を下回る低温環境では、孵化までに13日〜15日以上を要します。水中に卵が滞在する期間が長くなればなるほど、水カビ菌に晒されるリスクは日毎に増大します。一方で、ヒーター管理や日当たりの良い場所で水温を25℃〜28℃に保つと、約9〜10日でスムーズに孵化に至ります。適切な高水温を維持して孵化までの日数を短縮させることこそが、最大の防カビ戦略となります。
ただし、30℃を超える急激な水温上昇や直射日光による煮え水は、胚の奇形や突然死を招くため注意が必要です。安定した水温環境下で管理された卵は、受精後5日前後で眼胞(黒い目)が明瞭になり、心臓の拍動や血流が顕微鏡レベルで確認できるようになります。