映像作品と並んで「露出の真相」として語り継がれているのが、AKB48卒業直後の2012年に発売された前田敦子の写真集『不器用』(小学館)です。フランス・パリで撮影された本作は、アイドル時代の明るく健康的な水着グラビアとは一線を画す、極めてアンニュイかつ官能的な世界観で構成されました。
写真集内では、ホテルのベッドやシャワールームを舞台に、背中を腰元まで露わにしたバックショットや、シースルー素材の下着姿など、当時のファンが息をのむ大胆なカットが多数収録されています。この露出度の高さがSNSや掲示板で拡散されるにつれ、「ほぼヌード写真集を出したのではないか」という尾ひれのついた言説へと変質していきました。
しかし、実際の作品性を精査すると、そこにあるのは安易な性的消費を目的とした露出ではありません。秋元康プロデュースのもと、20歳を迎えた一人の女性が「少女から大人の表現者へと羽化する瞬間」を捉えたアートワークであり、その後の映画界での活躍を予見させる重要なメルクマール(指標)となっています。