歌舞伎の歴史において、日仏の血を引く役者の誕生はまさに異例中の異例だった。眞秀が初舞台を踏んだ瞬間、劇場は独特の熱気に包まれた。伝統の壁は厚い。しかし、彼はそれを軽々と飛び越えるような瑞々しい感性を持っている。ハーフだからという偏見の目を、実力と華やかさでねじ伏せてきたのだ。
舞台上での堂々とした立ち振る舞いは、母である寺島しのぶ譲りだろう。情熱的で、どこか泥臭く、それでいて圧倒的に美しい。彼が背負うものは、単なる家門の継承ではない。新しい時代の歌舞伎を切り拓くという、誰も歩んだことのない荒野なのだ。