愛犬の性格や処方された薬のタイプに応じて、正しい物理的アプローチを選択すれば、投薬の成功率は飛躍的に向上します。力任せに押さえつけるのではなく、犬の解剖学的構造と嚥下反射を利用した、獣医師推奨の犬の投薬方法詳細まとめを剤形別に解説します。
犬の錠剤の飲ませ方コツと口を開けない時の裏技
錠剤を直接飲ませる場合、最も確実なのは喉の奥への正確な配置です。まず犬の後頭部から上あごの犬歯の後ろに指を入れ、頭をやや上向きに持ち上げます。この体勢になると犬は構造上、顎に強い力を入れにくくなります。もう片方の手で下あごの切歯を軽く引き下げて開口させ、舌の付け根の真ん中(喉の最深部)に錠剤をすばやく落とし込みます。
もし犬が強く歯を食いしばって口を開けない時は、無理にこじ開けてはいけません。犬の唇の端(口角)を指で軽く巻き込むように内側に押し込むと、自分の唇を噛むのを避けるために自然と口の隙間が緩みます。薬を喉奥に入れた後はすぐに口を閉じ、上を向かせたまま喉仏のあたりを上から下へ優しく撫でてください。鼻先に息を「フッ」と軽く吹きかけると、条件反射で舌が鼻の頭をペロッと舐め、確実に薬を飲み込む嚥下反射が引き起こされます。
犬の粉薬を上手に飲ませる方法&シロップ薬の飲ませ方
散剤(粉薬)をそのまま食事に振りかけると、呼吸で吸い込んでむせたり、器の底に張り付いて規定量を摂取できなかったりします。犬の粉薬を上手に飲ませる方法として医療現場で推奨されるのは、少量の水やとろみのあるペーストで練ってペースト状の団子を作り、犬の上あご(硬口蓋)に指で塗りつけるテクニックです。犬は異物感から反射的に舌を動かし、吐き出せずに飲み込まざるを得なくなります。
一方、液体の犬のシロップ薬の飲ませ方では、針のないシリンジ(スポイト)の扱い方が成否を分けます。正面から口を開けさせて流し込むと、気管に入って誤嚥性肺炎を引き起こす危険性があります。犬の口を閉じたまま、口角の脇にある皮膚のたるみ(犬歯後方の隙間)にシリンジの先端を斜め後ろに向けて差し込み、少量ずつ数回に分けてゆっくりと注入するのが安全な鉄則です。