法令や契約書の条文を読む際、独特の「法令用語」を正しく解釈できなければ、思わぬ義務の取り違えを引き起こします。実務で最も頻出する代表的なペアを平易に解説します。
①「及び」と「並びに」の使い分け
どちらも「AとB」という並列の接続詞ですが、構造が異なります。並列する要素が単一のレベルであれば「A及びB」「A、B及びC」と書きます。しかし、段階が2段階以上ある大きなグループと小さなグループを結ぶ場合、最も小さい接続に「及び」を使い、大きなグループ同士の接続に「並びに」を使います。(例:「東京及び大阪並びにパリ及びロンドン」)
②時間の即時性を表す言葉のグラデーション
・「直ちに」:時間的な隙間が一切許されない最も強い即時性を持ちます。いかなる事情があっても今すぐ行わなければなりません。
・「速やかに」:できるだけ早く行うべきですが、正当な理由による遅滞までは違法とされない緩やかさを持ちます。
・「遅滞なく」:事情が許す限り早く行うことを求め、合理的な理由がある遅れは許容されます。
③「以上・以下」と「超える・未満」の違い
・「以上」「以下」:基準となる数値そのものを含みます(例:「18歳以上」は18歳を含む)。
・「超える」「未満」:基準となる数値そのものを含みません(例:「20歳未満」は19歳まで)。