飛行中の完璧なフォームでジャッジ全員から「20点満点」を叩き出したあの快挙から28年。時の流れは早いものの、船木和喜の熱意は何一つ衰えていない。彼がこのビジネスを立ち上げた背景には、現役時代から抱き続けてきたウインタースポーツ界への強い危機感があった。
マイナー競技とされるスキージャンプでは、どれほど才能があっても経済的な理由で競技を諦めざるを得ない若者が後を絶たない。道具一式を揃えるだけでも膨大な費用がかかり、遠征費の負担は親世代に重くのしかかる。「それなら自分が汗をかいて、子どもたちが跳べる環境を作ればいい」。そのシンプルな答えが、彼を厨房と催事場へと向かわせたのだった。