かつては最新のトレンドの中心に身を置き、時代の最先端を走っていた人物が、なぜハイテク全盛の時代に逆行するような道を選んだのか。その答えは、彼が長年抱き続けてきた「人間としてどう生きるか」という根源的な問いの中にある。
ボタン一つで何でも手に入る社会は、一見するとストレスフリーだ。しかしその反面、私たちは自らの身体感覚や、自然と対話する能力を少しずつ手放してはいないだろうか。松岡のライフスタイルは、社会のインフラから完全に離脱することを目指す攻撃的なものではなく、過剰な依存から自らを解き放つための「調律」なのだ。必要なものは自分で作り、要らないものは手放す。そのシンプルな原則が、彼の表情に揺るぎない穏やかさをもたらしている。