楽天グループ株式会社を率いる三木谷浩史会長兼社長は、モバイル事業や金融事業の再生と成長を掲げる中で、ECおよび二次流通ビジネスをグループ全体の顧客基盤拡大に向けた重要拠点と位置づけている。かつて一律3.5%という衝撃的な低手数料でユーザーの心を掴んだフリルを買収し、現在の楽天ラクマへと再編した歴史背景には、単体での手数料収入だけに依存しないエコシステム全体のLTV(顧客生涯価値)最大化という戦略的意図が存在する。
単一のサービスで手数料率を引き下げるとプラットフォームの収益は圧迫されるが、ユーザーが楽天銀行口座を開設し、楽天カードを使い、グループのサービスを横断的に利用することで、相乗的な収益機会が生み出される。大手IT各社が競い合うC2C市場において、こうしたプラットフォームを越えた複合的な経済圏構造を持つことこそが、他社には容易に真似できない優位性の源泉となっている。