激しい怒りを感じている最中、呼吸は浅く速くなり、筋肉は硬直しています。この身体反応を逆手にとり、末梢神経から中枢神経へリラックスシグナルを送るのが即効性のあるストレス解消法です。
臨床現場でも推奨されているのが、自律神経を整える深呼吸法としての「4-7-8呼吸法」や、米海軍特殊部隊でもパニック抑制に採用されている「ボックスブリージング」です。
息を吸う行為は交感神経を刺激し、息を細く長く吐き出す行為は副交感神経を優位にします。怒りを感じた瞬間に「4秒かけて鼻から吸い、4秒息を止め、8秒かけて口からゆっくり吐き出す」。これを3セット繰り返すだけで、血流中の酸素濃度が整い、急上昇していた心拍数が物理的に落ち着きを取り戻します。
身体のツボを刺激する手法も手軽で即効性があります。手のひらの中央、拳を握ったときに中指と薬指の先端が当たる位置にある「労宮(ろうきゅう)」や、手首の内側のしわから指3本分肘に向かった位置にある「内関(ないかん)」は、精神的な高ぶりを鎮め、自律神経の乱れを緩和するツボとして知られています。深呼吸と合わせ、親指で痛気持ちいい強さで5秒間押し込む動作を数回繰り返すのが効果的です。
体質的なイライラや神経の過敏さに対しては、イライラを抑えるツボと漢方薬の併用も選択肢に入ります。イライラや不眠、神経過敏が続く場合には「抑肝散(よくかんさん)」が、ストレスからくる胃腸の不調や情緒不安定には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」が医療機関や薬局で広く活用されています。