櫻井海音を語る上で欠かせないのが、卓越したドラムの腕前とロックバンド「インナージャーニー」での足跡です。
幼少期からドラムスティックを握り、高校時代にはスガシカオのサポートドラマーに抜擢されるなど、プロミュージシャンの間でもそのリズムキープ力とダイナミクス豊かな演奏力は高く評価されていました。2019年に結成されたインナージャーニーでは「Kaito」名義でバンドの屋台骨を支え、数々のフェスやワンマンライブを成功に導いています。
しかし、2023年9月にバンドからの脱退を電撃発表し、同年10月6日に開催された結成4周年記念ワンマンライブをもって正式にグループを離れました。この決断は当時、音楽ファンに大きな衝撃を与えました。
脱退の真相について、本人は公式発表資料や当時の手記において「俳優業と音楽活動の双方を中途半端にしたくない」という極めてストイックな葛藤を明かしています。撮影現場が数カ月に及ぶ映像作品の主演級オファーが増加する中、バンドメンバーとのスタジオ練習やツアー日程の調整が困難を極め、結果として音楽仲間へ迷惑をかけてしまう状況に深い苦悩を抱えていたとされます。
音楽プロデューサーの一人は次のように語ります。
「彼のドラムは単なる『芸能人の趣味』のレベルを遥かに超越していました。スネアの抜け感やグルーヴの溜め方は父親譲りの天性の音楽的センスを感じさせるものでした。それだけにドラムを置く決断には相当な覚悟が必要だったはずです。音楽から逃げたのではなく、表現者として退路を断ち、俳優一本で生きる覚悟を決めた瞬間でした」