ボーカリスト・大森元貴の驚異的な歌唱力を語る上でも、『僕のこと』は外せない一曲です。本楽曲の音域は、最低音がmid1C#(C#3)付近から始まり、地声・裏声を交えた最高音はhiG#(G#5)、さらにフェイクや転調部ではhihiA(A5)クラスのハイトーンが要求されます。
特筆すべきは、単に高音を張り上げるだけでなく、Aメロの語りかけるようなウィスパーボイスから、サビでの爆発的なミックスボイス、そしてラストサビでの感情を剥き出しにしたロングトーンまで、ダイナミクス(強弱)の振れ幅が極めて広い点です。この歌唱表現の難易度はJ-POP界でもトップクラスに位置します。
スタジアムツアーやドーム公演などの大型ライブにおいても、『僕のこと』は常にハイライトを飾るライブ定番曲として演奏されてきました。数万人規模の観客が息を呑み、会場全体が一つの呼吸となって大森元貴の声に聴き入る光景は、ミセスのライブにおける象徴的な名場面となっています。