実際のデュエルにおいて、「墓穴の指名者」がどれほど凄まじい働きを見せるのか、代表的な対戦シナリオを紐解いてみましょう。最たる例が、現代遊戯王で最も通してはならないとされる「増殖するG」との攻防です。
先攻プレイヤーがモンスターの特殊召喚効果を発動した際、後攻プレイヤーはチェーンして手札から「増殖するG」を墓地へ送って発動します。ここで先攻側が「墓穴の指名者」を速攻魔法としてチェーン発動すると、チェーン処理の逆順解決により、まず墓地へ送られた「増殖するG」が除外され、そのターン中(さらに次のターン終了時まで)すべての「増殖するG」の効果が無効化されます。これにより、先攻プレイヤーはドローを一切許すことなく、自らの理想的な展開ルートを完走できるわけです。
これは「灰流うらら」に対しても全く同様です。初動サーチや展開の核となるカードに対して投げられた「灰流うらら」を墓地から即座に排除し、展開を強行突破します。手札誘発モンスターの多くは「手札から墓地へ送って発動する」という共通のコスト構造を持っているため、「墓穴の指名者」の除外&無効化範囲から逃れることが構造上極めて困難なのです。
さらに恐ろしいのは、このカードが相手の先攻展開時や攻撃時にも機能する柔軟性を備えている点です。「深淵の獣(ビーステッド)」や「ティアラメンツ」のように墓地で誘発するモンスター効果全般に対しても、フリーチェーンの妨害札として機能します。攻守両面で腐る場面が極端に少ないことこそが、プレイヤーをして「デッキに枠があるなら絶対に入れるべき1枚」と言わしめる所以です。