映画のクライマックス、裁判の証言台に立った木村(先生)は、記者席の藤井に向かって不気味な微笑みを浮かべ、決定的な言葉を投げかけます。この結末が意味するものは何だったのでしょうか。
藤井は「正義」の名のもとに私生活を犠牲にし、妻を孤立させ、母の尊厳を軽視してまで犯人を追い詰めました。しかし、彼を突き動かしていたものは純粋な正義感だったのか、それとも「悪を断罪する快楽」や「特ダネへの執着」だったのか。ガラス越しに向き合う木村と藤井の構図は、「観る者と観られる者の反転」を意味しています。
他者の悪を暴き立てることで自らの正しさを証明しようとする人間の傲慢さ。ラストカットに込められた眼差しは、安全地帯から凶悪犯を眺めていた観客全員に対して「お前たちの中に潜む凶悪を見つめ直せ」という痛烈な問いを突きつけて幕を閉じます。