朝顔はなぜ、誰に教えられることもなく反時計回りに巻きついていくのでしょうか。その背景には、植物の先端部が円を描くように動く「回旋運動(サーカムニュテーション)」と、接触刺激によって細胞の伸長スピードが変化する「偏生長(へんせいちょう)」という植物生理現象があります。
朝顔の成長点では、光や重力を感知しながらオーキシンと呼ばれる植物ホルモンが不均一に分布します。つるが何かに触れると、接触した内側の細胞は伸びを抑え、外側の細胞が急速に分裂・肥大化します。この内外の成長速度の差によって、つるは支柱をギュッと締めつけるように巻きついていきます。
もし人間が良かれと思って時計回り(逆方向)に強制固定してしまうと、植物本来の回旋パターンと摩擦抵抗が衝突します。つるは元の反時計回りに戻ろうと無理なねじれを起こし、導管や篩管(水分や養分を運ぶパイプ)が圧迫されて先端が萎縮したり、成長が一時的に完全停止してしまいます。