この点々記号の正式名称は、日本語の表記体系において「ノノ点(ののてん)」または「同の字点(どうのじてん)」と呼ばれます。文字の形状を観察すると、カタカナの「ノ」が右上がりに2つ並んでいるように見えることから、印刷・出版の現場で古くから「ノノ点」の通称で親しまれてきました。
国際的な文字コード規格であるUnicodeにおいては、「DITTO MARK(ディトー・マーク)」として定義されており、文字コード「U+3003」が割り当てられています。英語圏における「ditto」は「同前」「同じく」を意味する単語であり、伝票やリストで上位・左位の項目と同等であることを示すために古くからタイプライター等で使われてきた記号と同系統の役割を担っています。
ここで多くの人が混同するのが、漢字の重複に用いられる「々(同の字点/U+3005)」との違いです。言語学的な分類において、両者は同じ「踊り字(おどりじ)」または「重ね字」「くり返し符号」という大きなカテゴリーに属しますが、使用ルールは明確に峻別されています。
「々」は、「人々」「日々」「様々」のように、直前にある漢字1文字を繰り返す際に単語の内部で機能する符号です。それ単体で「同じ」という独立した語義を持つわけではありません。一方、「〃(ノノ点)」は、箇条書きや一覧表において、直上の行や直前の列にある語句・文章全体を指して「上記の記述と同一である」と代行指示する記号です。つまり、文脈をまたいで語句を丸ごと省略するための記号がノノ点であり、単語の綴りとして漢字を重ねる記号が「々」であるという明確な境界線が存在します。