昨今、金融リテラシーの高い層を中心に「生命保険不要論」が支持を集める最大の理由は、日本が誇る公的保障制度の圧倒的な手厚さにあります。毎月数千円〜数万円の民間保険料を払う前に、すでに自身が加入している健康保険や厚生年金のセーフティネットを正しく把握している人は多くありません。
民間保険への依存度を下げられる代表的な公的制度は以下の3点です。
- 高額療養費制度による医療費の上限:1ヶ月あたりの自己負担額には所得に応じた上限が定められており、一般的な年収(約370万〜770万円)であれば、どれだけ高額な手術や長期入院をしても自己負担は月額8万円〜9万円程度で頭打ちになります。
- 傷病手当金(会社員・公務員):病気やケガで連続して3日以上休業した場合、通算1年6ヶ月にわたり給与のおよそ3分の2が支給されます。
- 遺族年金:家計を支える配偶者が亡くなった場合、残された子どもや配偶者に対して「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」が国から支給され、最低限の生活費の基盤が作られます。
こうした制度を踏まえ、多くのFPや専門家が「無駄な特約が山盛りの医療保険に入らない理由」として公的給付の充実を挙げています。万が一の事態が起きても、数百万円単位の自己負担が一度に発生する構造にはなっていないのが日本の医療制度の強みです。