ネット上のガンダム考察コミュニティにおいて、現在でも頻繁に見受けられる代表的な誤解が2つあります。
第1の誤解は「映画版の顔はカトキハジメ氏が独断で変えた」という言説です。実際には、映画化プロジェクトの立ち上げ段階において、監督の村瀬修功氏をはじめとする演出陣から「小説原典の持つ異様さやスケール感を現代に甦らせたい」という強い要望があり、カトキ氏自身がその意図を汲んで小説版(森木デザイン)のラインを緻密に再構築しました。カトキ氏はゲーム版の生みの親であると同時に、今回の原点回帰を統括した張本人でもあります。
第2の誤解は「ペーネロペーの偽物だから顔が怪物じみている」という設定の混同です。クスィーガンダムはアナハイム・エレクトロニクス社が極秘裏に開発した第5世代モビルスーツであり、ペーネロペー(オデュッセウスガンダム+FFユニット)の姉妹機にあたります。性能的に劣るから奇形になったわけではなく、むしろミノフスキー・クラフトを機体構造そのものに完全統合(ビルトイン)した結果、あのような巨大かつ平扁な頭部・肩部シルエットへと進化したのが機体設定上の真実です。
【プロの結論】デザイン受容の判断基準|旧版派と映画版派の決定的な分岐点
クスィーガンダムの顔に対する評価は、観客が「ガンダムという作品に何を求めているか」という心理的アプローチによって明確に分かれます。
- 映画版(異形・怪物フェイス)が刺さる人:
作品の持つ重厚な政治ドラマ、ハサウェイの破滅的な運命、戦争兵器としてのリアルな恐怖感や威圧感を重視する層。ガンダムを「単なる主役ロボット」ではなく「物語の劇薬」として捉える読者に圧倒的な支持を得ています。 - ゲーム版(正統派・端正フェイス)を好む人:
Gジェネレーションシリーズやスパロボなど、歴代ガンダムが並び立つゲーム環境で青春を過ごした層。νガンダム直系の「正統後継主人公機」としてのヒロイックな格好良さや、ケレン味のある立体物を愛好する読者に根強く支持されています。