「タクシー業界は稼げないのか、それとも個人の腕次第で青天井なのか」。転職検討者が最も注視する日本タクシー株式会社の年収と給与システムについて、現場の取材情報と公開データからメスを入れます。
公式の採用情報や就職ポータル各社の開示データによると、同社は過去10年以上にわたって赤字決算を出しておらず、売上高も前年比130%超の伸長を記録するなど業界内でも屈指の安定性を誇ります。新卒採用や未経験中途採用に対しては、入社初期の給与保障制度や二種免許取得費用の会社全額負担制度が整備されており、業界特有の「未経験者がいきなり歩合の荒波に放り出される」リスクを緩和する工夫が施されています。
現役ドライバーへのヒアリングおよび日本タクシー株式会社の給与明細の分析から見えてきたリアルな月収・年収レンジは以下の通りです。
一般的な乗務員の場合、基本給に各種手当と高還元率の歩合給、さらに年2回の賞与が加算されます。未経験1年目の平均的な月収は総支給で32万〜38万円前後、賞与を含めた初年度年収は400万〜450万円が中央値です。地理を把握し、主要駅の付け待ち、大阪キタ・ミナミの繁華街流し、無線配車を効率よく回せるベテランになると月収50万円超、年収ベースで600万〜700万円台に到達するドライバーも決して珍しくありません。
ただし、給与明細の控除欄を見ると、無事故手当の適用有無や売上未達時の歩合率変動など、ドライバー自身の営業成績がダイレクトに手取り額を左右する厳しさも浮き彫りになります。固定給で守られたデスクワークとは根本的に異なり、「走った分だけ跳ね返るが、サボれば直ちに額面に表れる」という実力主義の構造は間違いなく存在します。