罹災証明書とは?被災証明書との違いや判定基準・支援金申請を徹底解説

罹災証明書とは?被災証明書との違いや判定基準・支援金申請を徹底解説

罹災証明書とは?被災証明書との違いや判定基準・支援金申請を徹底解説についての最新情報を徹底解説します。

被災直後の心理状態には特有の落とし穴が存在します。災害心理学では、突発的な危機に直面した人間が不安を打ち消そうと過剰に体を動かしてしまう「過適応行動」や、いわゆる「片付けハイ」が指摘されます。被災現場では「とにかく早く泥をかき出したい」「見苦しい壊れた壁を早く捨てたい」という衝動に駆られ、証拠写真を撮る前に家屋内の損壊箇所を全て撤去してしまう被災者が後を絶ちません。

これが後日、自治体の現地調査員が到着した際の悲劇を生みます。泥が綺麗に清掃され、破損した壁板が剥がされた室内を見た調査員は、当時の浸水深や損傷実態を判定することができず、「浸水の痕跡が確認できないため一部損壊」と査定せざるを得ない事態に陥るのです。善意のボランティアの手を借りる際も、作業開始前に「写真撮影が完了しているか」を必ず統括者と確認しなければなりません。

また、ネット上や被災地域のコミュニティで頻繁に飛び交う誤解に、「罹災証明書は民間保険の請求に必須である」という言説があります。実際には、損害保険各社が支払う地震保険や火災保険の保険金査定は、保険会社独自の鑑定人が現地調査または写真査定を行うため、自治体の罹災証明書を必須書類としていないケースが大半です。自治体の発行が混雑で遅れている場合でも、民間保険の請求は先行して進められます。

さらに、「賃貸アパートの住人には罹災証明書は関係ない」という思い込みも危険です。建物の所有者である大家だけでなく、入居者であっても「住まいが被害を受けた被災世帯」として罹災証明書の交付を受けられます。これにより、自治体からの見舞金受給や公営住宅への一時避難、国民健康保険料の免除といった支援の恩恵を平等に享受できます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。