血液検査の好酸球とは?数値が高い原因と基準値・潜む病気の危険性

血液検査の好酸球とは?数値が高い原因と基準値・潜む病気の危険性

血液検査の好酸球とは?数値が高い原因と基準値・潜む病気の危険性とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

血液検査で好酸球が高い原因の大半は、体内で生じている「Th2型免疫応答」の過剰亢進です。Th2細胞が分泌するサイトカイン(特にインターロイキン-5:IL-5)が骨髄を刺激し、好酸球の産生と血液中への放出を強力に後押しします。

日常の臨床で頻繁に遭遇するのは、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患群です。また、市販薬や処方薬、抗生物質や解熱鎮痛薬によって引き起こされる「薬剤性アレルギー」も典型的な誘因となります。服用を始めて数日から数週間後に発疹や発熱とともに好酸球が急増した場合は、薬害の可能性を即座に疑わなければなりません。

しかし、警戒すべきはアレルギーだけに留まりません。好酸球の放出する細胞毒性物質は、ターゲットとなる異物だけでなく、自分自身の粘膜や血管内皮をも破壊します。これが好酸球の高値における危険性の核心です。

代表的な疾患が、厚生労働省の指定難病にも認定されている「好酸球性副鼻腔炎」です。この病態では、好酸球が鼻粘膜に極端に浸潤し、多発性の鼻茸(ポリープ)を形成します。好酸球性副鼻腔炎の症状として際立つのは、初期から見られる「嗅覚障害」です。一般的な蓄膿症(慢性副鼻腔炎)が黄色い粘り気のある鼻汁を主徴とするのに対し、好酸球性副鼻腔炎はニカワ状の粘稠な分泌物と重度の鼻づまりが生じ、手術で鼻茸を切除しても高確率で再発を繰り返す厄介な特徴を持っています。

さらに消化器官へ好酸球が過剰浸潤すると「好酸球性消化管疾患(好酸球性食道炎・好酸球性胃腸炎)」を発症します。胃や小腸、大腸の壁が慢性的に炎症を起こし、繰り返す激しい腹痛、原因不明の下痢、嘔吐、食物のつかえ感を引き起こします。重症化すると消化管狭窄や腹水貯留に至るケースもあり、胃カメラ検査で組織を採取して顕微鏡下で好酸球の密集度を確認しなければ確定診断がつきません。

好酸球数が1,500/μLを超える状態が長期間継続すると、心臓の筋肉に線維化が起きる「心内膜心筋線維症」や、全身の動脈に炎症が及ぶ「EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)」を招き、手足のしびれや心不全といった命に関わる重大な事態に直面することになります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。