王朝文学の世界と宮中政治の愛憎を描いた大河ドラマ『光る君へ』では、宮中へ献上される上質な絹織物や書画、珍味が権力の動向を左右する重要なアイテムとして描写された。言葉や和歌だけでなく、差し出される物そのものが自らの立場や意図を無言で主張する媒体として機能していた様子が実にリアルだ。
また、NHKスペシャル『皇室の至宝』のような番組では、何世紀もの時を超えて現在に受け継がれてきた美術工芸品や宝物の数々が、精細な映像とともに解き明かされている。極限の美意識と技術によって作られた品々からは、当時の職人たちが天皇陛下や宮中へ捧げるべく込めた並々ならぬ執念と誇りが伝わってくる。