千原せいじのガレージに並ぶマシン群は、流行を追うだけのコレクションとは一線を画す。イタリアの歴史的ブランド「モト・グッツィ」の縦置きVツインエンジンが打ち鳴らす独特の鼓動感から、国内大手の「ホンダ」が誇る信頼のタフな名車まで、そのラインナップは実に個性的だ。機械としての美しさと実用性を高次元で融合させたチョイスには、長年の経験に裏打ちされた独自の目利きが光る。
スペック表の数字をそのまま享受するのではなく、己の体型や走りの好みに合わせたカスタムバイクへのこだわりこそが彼の真骨頂。シートの沈み込みからハンドルの立ち上がり角度、エキゾーストノートのチューニングに至るまで、細部に及ぶ造り込みが施されている。実際に跨った瞬間のポジションの一体感と、路上での圧倒的な取り回しの良さを両立させるノウハウは、まさに筋金入りの愛好家そのものだ。