銃の魔人と化したアキの肉体は、無意識のうちにデンジの待つアパートへと向かいます。扉を開けた瞬間から始まったのは、周囲一帯を壊滅へと追い込む無差別な銃撃戦でした。
この戦闘における最大のエモーショナルな演出が、「雪合戦の幻覚」です。アキの脳内では、幼き日に弟のタイヨウと果たせなかった雪合戦をデンジと楽しく繰り広げている無邪気な世界が広がっていました。「もっと投げ合おう」と雪玉を投げるアキの主観に対し、客観的な現実は、アキが銃火器を乱射して街と民間人を容赦なく吹き飛ばし、デンジを追い詰める地獄絵図でした。
周囲の人々を守るため、そしてアキを止めるため、デンジは涙を流しながらチェンソーでアキの肉体を切り裂きます。幻覚の中のアキは、泣き顔のデンジを見て「手が冷たくなったから帰るよ」と雪合戦をやめ、穏やかな表情のまま息絶えました。未来の悪魔が語った「最悪の死」とは、死にゆくアキ自身にとってではなく、心を通わせたデンジの心に一生消えない傷を負わせるという、残された者にとっての最悪を意味していたのです。