「鬼滅キッズ」という言葉がネット上に現れ始めたのは、TVアニメ第1期の放送および配信によって爆発的な人気を獲得した2019年後半から2020年初頭にかけてのことです。もともとは、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の実況板やなんJ(なんでも実況J)において、過去の「東方キッズ」や「マイクラキッズ」「フォートナイトキッズ」などと同様に、特定のコンテンツに熱狂する小中学生層を指す俗称として派生しました。
しかし、興行収入400億円を突破した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒットに伴い、言葉のニュアンスは急速に変質していきます。YouTubeのコメント欄やSNS上で「他のアニメを『鬼滅のパクリ』と決めつける」「文脈を無視してセリフを連投する」といった一部の年少ユーザーによる無邪気な過激行為が目立ち始めました。これらを面白がったなんJまとめサイトやインフルエンサーが頻繁に取り上げたことで、単なる年少ファンを指す言葉から「視野が狭くマナーを欠いたファン」を揶揄するインターネットミームへと拡大したのです。
当時、幼稚園児から小学生までを虜にした鬼滅の刃子供人気ブームは、トイジャーナル等の玩具業界データでも「DX日輪刀」が年間玩具ランキングで異例の首位を獲得するなど商業的にも圧倒的でした。市場規模の急拡大に対して、古参のネットコミュニティが強い拒否反応を示した構図が、このスラング定着の背景にあります。