飛翔スピードが極めて速いヤンマ類の中でも、クロスジギンヤンマの採集には独自の戦略が必要です。がむしゃらに網を振り回しても、警戒されて高所へ逃げられてしまうのがオチです。
第一のコツは、「オスの巡回ルート(パトロールコース)の特定と待ち伏せ」です。オスは池の岸辺にせり出した木の枝の下や、日陰と日なたの境界線をほぼ一定の間隔(数分おき)で周回します。止まりやすい突き出た枯れ枝や、進行方向が急カーブする地点を特定し、気配を消して待ち構えるのが最も確実なアプローチです。
第二のコツは、「春先の気温と時間帯」の見極めです。5月前後の晴天日であれば、気温がぐんぐん上昇する午前9時から正午前が最も活発に飛翔します。また、早朝や肌寒い日には、林縁の低い低木や笹の葉裏にぶら下がって休止している個体を見つけられることもあり、このタイミングであれば静止状態からのネットインが狙えます。