ファンタジーを守り抜くためのルールは極めて厳格だ。特に株式会社オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートや、株式会社サンリオが手掛けるサンリオピューロランドのような世界観を重視する現場では、業務内容に関する厳秘義務が徹底されている。「自分がどのキャラクターに入ったか」をSNSに投稿することはもちろん、家族や友人に話すことすら契約違反となり、即刻契約解除や損害賠償の対象になり得る。
採用基準における最大のハードルは、個人の能力以上に「身長制限」という物理的な制約にあることが多い。キャラクターの公式プロポーションを維持するため、募集要項には「150cm以下」あるいは「175cm以上」といった厳密な数値が指定される。技術や熱意があっても、ミリ単位の体躯の違いで門前払いとなるシビアな世界だ。
さらにオーディションでは、視界が極端に狭い状態での空間把握能力や、音響に合わせたリズム感が試される。無言のまま全身のシルエットだけで感情を伝える演技力も不可欠であり、単なる「人手」ではなく「表現者」としての適性が厳格に審査される。