参拝者が急増する一方で、現地が直面しているのは「聖地としての厳かさ」と「日常の生活環境」の共存という課題だ。縁切榎が鎮座するのは、駅前の商業地ではなく閑静な住宅街。参拝者が押し寄せることによるゴミ問題や騒音に対して、板橋区観光協会や地元商店街は細心の配慮を重ねている。
観光・旅行産業の視点からも、過度な観光地化を避けつつ、歴史宿場町としての景観と調和させる取り組みが続けられてきた。商店街の店主たちが交代で絵馬の取り扱いを引き受け、境内の清掃を自発的に行うことで、この特異なパワースポットは清潔かつ神聖に保たれている。訪れる者は、自分が誰かの生活圏に足を踏み入れているという節度を忘れず、商店街の歴史ある和菓子屋や飲食店に立ち寄るなど、地域経済への感謝を行動で示したい。