ネット上の考察サイトや都市伝説まとめでは、「パワーパフガールズには放送禁止レベルの裏設定がある」「実はすべて薬物中毒者の幻覚である」「ガールズは解離性同一性障害の多重人格の具現化」といったセンセーショナルな噂が定期的に拡散されます。しかし、これらの多くは海外掲示板(Redditや4chan)発祥の「Creepypasta(ネット怪談・二次創作)」が事実無根のまま独り歩きしたものです。
しかし、ネットのデマを排除したとしても、「公式の劇中描写そのものが、現在の倫理基準から見れば十分にトラウマ級の裏設定・過激演出に満ちている」という事実は揺らぎません。制作陣が意図して仕込んだ本編の生々しい演出こそが、大人たちを震撼させる最大の理由です。
例えば、シーズン4の「映画スターになりたい!(Girls Blame It on the Mime)」では、街から音と色が完全に失われ、白黒のパントマイム芸人が精神を病んでいく不気味な無音の世界が描かれます。また、悪党がガールズに制裁されるシーンでは、子ども向けアニメにもかかわらず前歯がへし折られ、口から血と唾液を撒き散らしながら眼球が充血するスプラッター映画顔負けの描写が頻繁にインサートされました。
原作者のクレイグ・マクラッケンはインタビューにおいて、「私たちは子ども向けのアニメを作ろうとしたのではない。自分たちが面白いと思うカルト映画、コミックブック、パンクロックのエネルギーをそのままアニメーションに叩き込んだ」と語っています。つまり、ネットの陳腐な都市伝説など必要ないほどに、公式が提示した世界観そのものが徹頭徹尾「過激なブラックサタイア(社会風刺)」で満たされていたのです。