作品を決定的な名作へと押し上げたのは、間違いなく実力派キャスト陣の存在感だ。主演の陣内孝則をはじめとする演技派たちが魅せたのは、決して記号的ではない、生々しいまでに立体的な大人の葛藤だった。
現場関係者が明かす当時の独占エピソードによれば、主演の陣内孝則はカットがかかった後も役に没頭し、セリフの間や視線の配り方一つひとつに徹底的にこだわり抜いていたという。軽快なコメディラインを見せつつも、ふとした瞬間に漂わせる哀愁。その振れ幅の大きさが、視聴者を画面に釘付けにした。
脇を固めるキャストたちの佇まいも見事というほかない。誰もが傷つき、悩みながらも相手を想う。その不器用な情熱が、画面越しに熱量となって直接伝わってくるのだ。