1971年、音楽シーンの頂点に立つ二人の電撃結婚は、まさに日本中を揺るがすビッグニュースだった。当時、怨歌と称された独特の哀切な歌声で時代の寵児となっていた藤圭子と、グループの顔として甘いヴォーカルで大衆を魅了していた前川清。あまりに若いふたりの決断は、連日ワイドショーやスポーツ紙の一面を飾った。
しかし、祝福の嵐からわずか54週間後、ふたりは離婚という選択をする。記者会見で見せた穏やかな表情の裏には、過密なスケジュールによるすれ違いと、お互いの若さゆえの苦悩が存在していた。離婚後も互いを決して貶めず、一人の音楽家として敬意を払い続けた態度こそが、この短くも美しい関係に隠された真実と言える。