パナウェーブ研究所の母体となったのは、1970年代に設立された宗教団体「千乃正法」である。当初は既存の宗教観や精神世界を取り入れた小さな学習会からスタートしたが、次第に末世思想や陰謀論が色濃く反映されるようになっていった。
集団が最終的な本拠地として身を寄せたのが、福井県五太子町の山中に築かれた巨大な施設だった。周囲を白い布や白いネットで徹底的に覆い尽くしたこの拠点には、最盛期には多数の信者が共同生活を送っていた。近隣住民との軋轢や行政との摩擦は絶えず、異様な景観とともに過疎の町で大きな社会問題へと発展していった。