高田みづえは、1977年に『硝子坂』で鮮烈なデビューを果たした。伸びやかな歌声と親しみやすいキャラクターで一躍トップスターとなり、『そんなヒロシに騙されて』などの連続ヒットを記録。NHK紅白歌合戦には通算7回の出場を果たし、芸能界の中心に君臨していた。
一方、若嶋津六夫はその締まった褐色肌とシャープな取り口から「南海の黒ヒョウ」の異名をとった人気大関だった。大相撲の土俵で土つかずの連勝を重ねるなど、昭和の相撲ブームを牽引した看板力士の一人だ。
1985年のふたりの結婚発表は、まさに「異色のビッグカップル誕生」として大衆紙やワイドショーを独占した。高田みづえは絶頂期での芸能界引退を即座に決断。華やかなマイクを置き、伝統と格式が重んじられる相撲部屋の女将さんへと完全に転身したのだった。