選手生活に終止符を打った後、彼女が選んだのは株式会社フジテレビジョンの社員として裏方に徹する道だった。五輪の金メダリストであれば、タレント文化人や解説者としてテレビ画面の前で華々しく活動し続ける選択肢もあったはずだ。しかし彼女は、あえてカメラの前から姿を消す選択をした。
会社組織の中でスポーツ推進や総務、CSR活動などの業務に真摯に向き合う姿は、同僚からも高く評価されている。華美なスポットライトを浴びた過去を誇示することなく、地道な実務を積み重ねる毎日。表舞台から距離を置いたのは逃避ではなく、競技生活を通じて培った集中力と覚悟を、新たな社会人生活というフィールドで全うするための誠実な決断だった。