蘭の花言葉に「怖い意味」の噂?色・品種別の真相と失敗しないギフト術

蘭の花言葉に「怖い意味」の噂?色・品種別の真相と失敗しないギフト術

蘭の花言葉に「怖い意味」の噂?色・品種別の真相と失敗しないギフト術の真相について、最新情報を詳しくお届けします。

蘭の世界を深く探求する上で避けて通れないのが、「洋蘭」と「東洋蘭」の決定的な美意識の差異です。この2系統の思想的断絶を把握しておくと、なぜ蘭がこれほど多様な意味合いを背負わされてきたのかが明瞭になります。

19世紀の産業革命期に西欧で品種改良が進んだ洋蘭は、人工的な温室の中で原色の鮮やかさや花の巨大さ、左右対称の造形美を競い合う「外向的な美」を追求しました。前述のカトレアや胡蝶蘭がこれに該当し、空間を圧倒する存在感こそが価値とされます。

対照的に、日本や中国で古くから愛されてきた東洋蘭(春蘭、寒蘭、風蘭、恵蘭など)は、「幽玄」「侘び寂び」「内省の美」を体現します。孔子が「蘭は幽林に生じ、人無きを以て芳しからざるは無し(蘭は人里離れた深い森の中でひっそりと咲き、誰も見ていなくても気高い香りを放ち続ける)」と君子の徳に喩えた通り、目立たない小さな花茎と、風にそよぐ葉姿の線美、そしてかすかに漂う幽香(ゆうこう)を愛でるのが東洋蘭の真髄です。

過剰な自己主張を排し、精神的な純粋さを尊ぶ東洋蘭の精神性は、日本の現代ビジネスにおける「控えめながらも揺るぎない敬意を示す」という贈答文化の根底に今なお静かに息づいています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。