あの吸い込まれるようなブルーの正体は、皮膚内部の緻密な層構造に隠されている。通常のニホンアマガエルの皮膚には、外側から順に「黄色素胞」「虹彩胞」「黒色素胞」という3つの細胞層が並んでいる。虹彩胞が光を反射して青い波長を作り出し、その青い光が一番外側の黄色素胞を透過することで、私たちの目には「青+黄=緑」として認識される。
ところが、遺伝子突然変異によって生まれつき「黄色素胞」を持たない個体が稀に生まれる。黄色というフィルターがごっそり抜け落ちた結果、虹彩胞から発せられた構造色の青い光がストレートに反射され、鮮烈な青色となって人間の視界へ届くのだ。生物学と物理光学が奇跡的な確率で合致した瞬間と言えるだろう。