「液晶画面のブルーライトには嫌気がさしているが、夕闇の青には心を救われる」。都内のIT企業で働く30代の女性はそう語る。
現代人は一日中、明瞭すぎるディスプレイの発光に晒されている。対照的に、黄昏時の自然光はコントラストが極めて低い。人間の視神経は、明暗の境界が曖昧になるこの時間帯に副交感神経が優位になりやすいことが近年の環境心理学の研究でも明らかになっている。瞑想やヨガに代わる新しいメンタルケアとして、ただベランダに出て空を眺める時間を日常に取り入れる人々が増えている背景には、こうした生理学的な裏付けもある。