教育現場や岩石愛好家のコミュニティ、資格試験の受験生が集まる掲示板などでは、毎年のように次のような切実な疑問が寄せられています。
「標本で見せられた花崗岩を肉眼で見ても、石英と黒雲母の大きさが全然違うように見える。なぜこれで『等粒』と言えるのか納得がいかない」という声です。国立大学の地質系研究室が実施した実地調査アンケート(地学履修生約200名対象)でも、受講生の約64%が「等粒状組織という名称と、実際の肉眼観察所見の不一致」に混乱を覚えたと回答しています。
鉱物鑑定の第一線に立つ地質調査技術者は、この現象について次のように指摘します。「自然界の岩石において、すべての鉱物が工業用ビーズのように同一ミリ数で揃うことはあり得ません。結晶化する温度帯が鉱物ごとに異なるため、最初に晶出を始めた斜長石は自形(本来の結晶面)を保ちやすく、最後に隙間を埋めるように固まる石英は他形(不定形)になります。現場で見るべきはサイズの完全一致ではなく、『基底を埋める微細なペースト状の石基が存在しないこと』なのです」。