美しく切り取られた写真だけを見て現地に赴くと、思わぬ落とし穴に直面することがあります。ここでは、ネット上で散見される誤解を正し、快適な旅をサポートするための現実的な注意点を挙げます。
最大の盲点は「干潟の足元の泥濘(ぬかるみ)」です。有明海の干潟はきめ細やかな粘土質の泥でできています。干潮時に「鳥居の真下まで行ける」といっても、敷石から一歩外れると足首や膝まで泥に沈み込み、靴が抜けなくなるトラブルが頻発しています。お気に入りのスニーカーやサンダルで不用意に泥地へ足を踏み入れるのは厳禁です。足元まで近づきたい場合は、汚れても良い長靴を持参するか、設置された石畳の動線から絶対に外れないようにしてください。
また、もう一つの誤解は「いつ行っても海に鳥居が浮いている」という思い込みです。潮のサイクルを調べずに立ち寄った結果、「海を期待していたのに泥の干潟だけが広がっていた」、あるいはその逆で「鳥居の近くまで歩きたかったのに完全に水没していた」と失望する旅行者が後を絶ちません。大魚神社は、時計の時刻ではなく「潮の時刻」に合わせて行動を組み立てるべき、日本でも極めて稀有なスポットなのです。