冷蔵庫の取り扱いは各メーカーの仕様や、置かれたシチュエーションによっても細部が異なります。
例えばパナソニックの冷蔵庫の電源の切り方を確認すると、近年のインバーター搭載モデルではドア内側や天面にタッチ式の操作パネルが配されています。「製氷停止」や「急冷オフ」などの機能設定ボタンはあるものの、本体全体の電源を切るスイッチはやはり存在しません。パナソニックの取扱説明書でも「電源を切るときは、電源プラグをコンセントから抜く」と明記されています。一部のハイグレード機には「冷却運転の一時停止モード」が点検用として裏コマンド的に隠されている場合がありますが、これは技術員専用の機能であり、一般ユーザーが日常の電源オフとして使う仕様にはなっていません。
また、旅行や出張、あるいは別荘利用などによる「長期不在時の電源オフ」には大きな落とし穴があります。「電気代がもったいないから」と数週間〜数カ月の不在時にコンセントを抜く方がいますが、これは庫内の徹底的な清掃とドアの常時開放ができない限り、絶対におすすめできません。電源を切ると庫内の湿度が急上昇し、わずかに残った調味料の跡や手垢をエサにして数週間で庫内全体に黒カビがびっしりと繁殖します。さらにドアパッキンにカビが侵入すると、異臭がゴムに染み付いて二度と取れなくなります。1カ月程度の留守であれば、食品を空にした上で「弱運転」または「ecoモード」に設定し、通電したままにしておくのが機械衛生上最も安全です。
もし本体のマイコン制御がバグを起こしたり、エラーコードが表示されたりして「冷蔵庫の故障リセット」を試みたい場合は、電源プラグをコンセントから抜き、しっかり10分間放置してから再び差し込む作業を行ってください。内部の平滑コンデンサに残った微弱電流が完全に放電され、制御基板が工場出荷時の正常シーケンスから初期化(コールドリセット)されます。