「SNSで動画を見て、早朝から電車に乗ってきました」。そう語る都内の大学生(21)の目線の先には、店内に飾られたダイヤル式の黒電話と昭和時代のカレンダーがある。タイパや効率が最優先される現代社会において、ここには全く異なる時間が流れている。
スマホの画面越しでは絶対に味わえない、手触りのある温もり。威勢の良い接客の声、常連客同士の何気ない掛け合い、そして料理が運ばれてくるまでの高揚感。ここでは、単にお腹を満たすこと以上の価値が提供されている。「空間と食のリアリティを体感する」という体験そのものが、デジタルネイティブ世代の心を強く掴んで離さない。