近年、持参した御朱印帳に直接墨書してもらう「直書き」ではなく、あらかじめ和紙に書かれたものをいただく「書き置き(紙の御朱印)」を授与する寺社が主流になりつつあります。これに対して「書き置きでがっかりした」「手抜きではないか」と不満を漏らす声も少なくありません。
しかし、書き置き対応が増加した要因には、参拝者の待ち時間短縮や感染対策のほか、悪質な御朱印の転売問題に対する防衛策という側面があります。季節限定や数量限定の希少な御朱印がフリマアプリ等で高額出品される事態が常態化し、参拝目的ではない転売ヤーが授与所に殺到するトラブルが全国各地で発生しました。
営利目的での転売は神仏を冒涜する行為と捉えられ、寺社側は授与方法の見直し、帳面への直接記帳の限定化、あるいはあえて日付や仕様を限定した書き置きのみの対応へと舵を切らざるを得なくなりました。書き置きの授与も、神社や寺院が正式に祈祷・祈願を込めて用意した神聖な授与品であり、直書きと何ら宗教的な優劣はありません。