躑躅森盧笙の深層心理をもっとも雄弁に物語っているのが、彼のソロ楽曲「Own Goal」です。タイトルが示す通り、この曲の根底にあるのは「自ら味方のゴールに球を蹴り込んでしまった」という、かつてのコンビ解散に対する痛恨の自責の念です。
作詞を担当した好良瓶太郎(木村昴)によるリリックは、韻の踏み方一つをとっても盧笙の几帳面な性格をトレースしています。冒頭から繰り出されるライムは、自己弁護を一切許さない冷徹な自己批判で満ちており、過去の逃避劇を生々しく描き出します。しかし、楽曲の後半に向けてビートが熱を帯びるにつれ、リリックのベクトルは単なる自傷行為から「過ちを背負った上での前進」へとシフトしていきます。
失敗を消し去ることはできないが、その傷跡こそが自分の証明であり、二度と大切な存在の手を離さないための力になる――このカタルシスこそが盧笙のラップの真骨頂です。続く「Under Threat」などのチーム曲においても、簓の奇策や天谷奴零の老獪な策略を背後から支える堅固なバースを叩き込み、かつて「足を引っ張る側」だった男が「チームの決定的な防壁」へと進化を遂げた姿を証明しています。